【施設長のつぶやき/かしわ荘】ほんとうの空

2018年07月03日 施設長のつぶやき

かしわ荘園長  笠原 秀子

ほんとうの空を見に行く。福島県の名峰安達太郎山である。6月2日は、まばゆいばかりの晴天。ザックを担ぎいざ出発。自分の体力を考えながら一歩、一歩進む。新緑がきらきらと光り、まるで緑の絨毯のよう。安達太郎山は、日本百名山の1つで詩人高村光太郎の智恵子抄で有名だ。現在も活動を続けている火山である。ロープウェイを使うと2時間あまりで山頂に行けるため、初心者でも手軽に登れる。体力のない私には格好の山で、毎年必ず数回登る。

山頂への急登をトライし、頂へ。その頂から見る初夏の空はぬけるように青い。智恵子は東京には空がないと言う。「この上の空がほんとうの空です」智恵子が東京暮らしの時に病にかかり、故郷福島に帰った時の言葉だ。

天空の散歩道のような牛の背を歩き、その先に現れるのが沼の平である。1900年に大爆裂を起こした荒涼とした風景は圧巻だ。その風景に圧倒され思わず佇む。隣で数人の若者が「すげー、すげー」と大声を上げている。安達太郎山名物の強風に乗り、登山者達の楽しそうな声が聞こえてくる。今日も山頂は大賑わいだ。都会とはまるで違う、とても大きな空。そこには、智恵子が望んでやまない「ほんとうの空」がある。

【名峰安達太郎山から望む空】