【施設長のつぶやき/しおかぜ荘】威武に屈せず富貴に淫せず

2018年11月01日 施設長のつぶやき

しおかぜ荘 渡辺和裕

過日、知り合いが聞きなれない病で入院した。横文字名だったのでとても狼狽した。何か「願掛け」をしようと思い立ち、雨の日以外は走ることにした。初日、1時間ばかり走って早くも挫折。他に自分らしい祈願はないかと思案した。ありました。

その人は、私と同じ「猫好き」であった。折からの猫ブーム、ネコノミクス効果は年2兆円だという(社会福祉法人の内部留保と同じだ!)。そうだ、退院するまで1日1冊、猫本を買おう。一体、何冊になるか分からないが、これならできそうだ。その日から市内外の本屋巡りが始まった(長岡の「と」書店、「み」書店、お世話になりました)。条件は、文庫に限定すること。あれこれ考えながらまずは記念すべき1冊を選ぶ。大佛次郎「猫のいる日々」。そこで翌日の分の目星をつける。これが楽しい。

作家は圧倒的に猫好きが多く、犬派は1割にも満たない。だからネタは尽きない。また、猫狂いは「猫を飼う」とは言わない、「飼われているのは常に人間」だと認識する。町田康など「1人2人」と数える。ドがつくアホである。

その知り合いは、幸い、2週間程度で無事退院した。狂気にも似た猫本漁りは都合「28冊」で終わった。猫の魅力とは何か。意外かもしれないが、犬種よりも人間の悲哀に敏感であること。そして、表題のようなメッセージを陰に陽に教えてくれることにある。「邪(よこしま)になるニャ」。

 (錆び猫、ちゃび)

 (「俺つしま」がオススメ)